デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

「てっきりお前はそういう事に興味がないと思ってたんだがな。特定の誰かに対して、あんまり入れこんでるのを見たことないから。誰にでもいい奴だったもんな、お前」

馬の鼻面をなでながら、同僚は静かに笑った。

「……」

「お前の事、付き合い悪くなったとか言う奴もいるけど、俺はそっちの方が人間らしいと思うぞ」

「…ありがとな」

その言葉が嬉しくて、シュリも微笑んだ。

二人連れ立って歩きながら、同僚がひょいと聞いた。

「しかしよお、バカでクソ鈍いお前をそこまで変えた女って、どんな女なんだよ?すんげーいい女なんだろ?」

「まーな!可愛くて、でも絶対折れない芯の強いところがあって、優しくて、肌が柔らかくて白くて………」

最後の言葉を自分で言ってから、ボッと赤面する。

「ん?……あ、お前何思い出してんだよ。ガキか」

「な、な、なな何も思い出してねぇえよっ」

プイと横を向く。
ひとしきり笑ってから、同僚はふと聞いた。

「お前、その女とはもう将来の約束か何かしてんのか」

シュリは唇を尖らせる。

「まだ……俺の気持ちも知らねぇよ」

その言葉に、驚いたように言われた。

「お前、よくそれで安心できるな。そんないい女なら、他の奴が放っとくか?」

「え……」

さっと、アスナイの顔が脳裏をよぎる。

「別に…あいつには負けるつもりはねえし」

フン、と鼻をならして見せたが、同僚の次の言葉に固まった。

「いやそうじゃなくてよ、全然別の奴が、お前の知らない間にその女を自分の物にしたら、どうすんだよ」