「……では、それを信じさせてくれ」
「えっ?」
キョトンとして目を見開く桜。
王の紫の瞳は揺れたまま、おもむろに、そのひんやりとした手がそっと桜の顔を上向かせた。
「あ……!」
何か言葉を言う前に、ゆっくりと唇が重なる。
「ん…!」
体が硬直し、一気に顔を紅潮させて、両手がわたわたと空をさまよった。
突き放すわけにもいかず、きゅうっと王のシャツの袖をそれぞれ握りしめていた。
昨日はカナンにされた事を、今は王がしている。
何だかとんでもなく不誠実な人間になったような気がして、羞恥と罪悪感でかたく目をつぶった。
そんな桜の表情を、細められた紫の瞳が見つめて、そしてゆっくりと長いまつ毛に閉じられた。
そっと、温かな舌が桜のそれを絡めとる。
「んっ!?」
目をむき、ますます顔を赤くして、小刻みに震えた。
情欲を煽るように音を立てて、何度か彼女を味わった後、ツッ、と名残惜しげな糸を引きながら、唇が離された。
「な、ななな何なんですかいきなり………!」
混乱し、目を回しながら言う桜に、やっと王が小さく笑顔を取り戻して言った。
「…そなたがもし、カナンをすでに選んでいたら、私にこんなことはさせなかっただろう?……だから、そなたの言葉を信じよう。首飾りを一つつけるくらい、大目に見るさ」
もう!だからってこんなこと!
真っ赤な顔で、むく、とふくれる桜を見て、王は対照的に幸せそうに笑った。
桜と唇を交わしたのは、これまで二度あったが、どちらもとんでもない拒絶にあった。
やっとまともに、彼女とキスが出来たことが嬉しかったのだ。
(つくづく、私も単純だ)
そう思った。
「えっ?」
キョトンとして目を見開く桜。
王の紫の瞳は揺れたまま、おもむろに、そのひんやりとした手がそっと桜の顔を上向かせた。
「あ……!」
何か言葉を言う前に、ゆっくりと唇が重なる。
「ん…!」
体が硬直し、一気に顔を紅潮させて、両手がわたわたと空をさまよった。
突き放すわけにもいかず、きゅうっと王のシャツの袖をそれぞれ握りしめていた。
昨日はカナンにされた事を、今は王がしている。
何だかとんでもなく不誠実な人間になったような気がして、羞恥と罪悪感でかたく目をつぶった。
そんな桜の表情を、細められた紫の瞳が見つめて、そしてゆっくりと長いまつ毛に閉じられた。
そっと、温かな舌が桜のそれを絡めとる。
「んっ!?」
目をむき、ますます顔を赤くして、小刻みに震えた。
情欲を煽るように音を立てて、何度か彼女を味わった後、ツッ、と名残惜しげな糸を引きながら、唇が離された。
「な、ななな何なんですかいきなり………!」
混乱し、目を回しながら言う桜に、やっと王が小さく笑顔を取り戻して言った。
「…そなたがもし、カナンをすでに選んでいたら、私にこんなことはさせなかっただろう?……だから、そなたの言葉を信じよう。首飾りを一つつけるくらい、大目に見るさ」
もう!だからってこんなこと!
真っ赤な顔で、むく、とふくれる桜を見て、王は対照的に幸せそうに笑った。
桜と唇を交わしたのは、これまで二度あったが、どちらもとんでもない拒絶にあった。
やっとまともに、彼女とキスが出来たことが嬉しかったのだ。
(つくづく、私も単純だ)
そう思った。
