「王都は、大きくて賑やかで、人も良くて、素敵な街でしたよ。王様がきちんとした政治をされているからでしょう?それも言いたかったのに」
――沈黙。
ややあって、王がぽつりと言った。
「自信など、あるものか」
「え?」
「私は、カナンのようにそなたと気安く話ができる訳でも、休みの日に街へ連れ出せる訳でもない」
シュリやアスナイのように、桜だけに優しさを与えて、誰にはばかることなく彼女を特別にできるわけではない。
「ただ立場を利用して、そなたに時間を作らせているに過ぎない。他の者のように、楽しい思いをさせることも、王という立場上、表立って特別扱いすることも出来ない。……そんな者が、本当に自信を持ってそなたの心を得られると思っているとでも?」
背を向けているので、その表情は分からない。
「情けないがな。ずっと怯えている。……いつ、そなたが私以外の人間を愛しはじめるかと。今まで、こんなに一人の人間に心を奪われた事などなかったから」
ふう…と深く息をつき、顔を覆って下を向いた。
「だから、たかが首飾り一つでこんなに醜い姿をさらしてしまう。余裕や自信など、ない」
――沈黙。
ややあって、王がぽつりと言った。
「自信など、あるものか」
「え?」
「私は、カナンのようにそなたと気安く話ができる訳でも、休みの日に街へ連れ出せる訳でもない」
シュリやアスナイのように、桜だけに優しさを与えて、誰にはばかることなく彼女を特別にできるわけではない。
「ただ立場を利用して、そなたに時間を作らせているに過ぎない。他の者のように、楽しい思いをさせることも、王という立場上、表立って特別扱いすることも出来ない。……そんな者が、本当に自信を持ってそなたの心を得られると思っているとでも?」
背を向けているので、その表情は分からない。
「情けないがな。ずっと怯えている。……いつ、そなたが私以外の人間を愛しはじめるかと。今まで、こんなに一人の人間に心を奪われた事などなかったから」
ふう…と深く息をつき、顔を覆って下を向いた。
「だから、たかが首飾り一つでこんなに醜い姿をさらしてしまう。余裕や自信など、ない」
