デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

「………」

桜の後ろで、王の顔が強張った。

「私にとっては、昨日のきね……んっ!?」

いきなり、後ろから2本の長い指が唇を割って口に入ってきた。
ゆっくりと、桜の舌に絡まる。

「あ…ふ…」

もがくのを許さず、抱く腕に力を込めた。

「………生意気な口だ」

低い声が、耳元に響いた。もう片方の手は、相変わらずネックレスのチェーンを握っている。

くちゅ、と音をたてて、指が桜の口内をゆっくりと侵す。

「んん……ふ、あ」

頭を振って指を外そうとしても、それが叶わない。

耳に吐息がかかって、王の唇がそっと耳たぶをとらえた。

「んっ!」

ビクッ、と体が跳ねて、カッと顔が熱くなる。

「…ほら、どうした。さっきまでの勢いは?」

つう、と舌で耳をなぞりながら、小刻みに震える桜を皮肉な声で挑発した。

じんわりとした涙目をきゅっとつぶる。