デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

「我が君、桜様です」

さ、と帳が払われ、桜は中に入った。

「桜…」

ふわ、と笑って、王は桜に歩み寄った。

「こんにちは、王様。昨日は楽しかったです。お許しいただいて、ありがとうございました」

桜も笑って頭を下げた。

「…ああ」

うなずいて、桜の手を取る。

いつもの座椅子ではなく、ソファが用意されていた。

「あれ、今日はソファなんですね」

言いながら桜が腰掛けると、隣に座った王がそっと後ろから彼女を抱きしめた。

「わ!?おおお王様?」

びっくりして飛び上がり、その顔を振り返る。

グイ、と少し強めに抱き寄せて、自分の脚の間に彼女をすっぽりとおさめた。

ソファの上に足も上げて、二人で横向きに重なるような格好になる。

「ハア…長かった」

そっと、自分の頬を桜の頬に寄せた。

「そんな…一日じゃないですか」

「そうだ。そなたがいないせいで、まる一日仕事をするハメになった」