デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

王宮に近づいてきたところで、二人は店に入った。

少し上品な酒場と言った感じで、客は穏やかに歓談していた。

「こんなにたくさんお店があるのに、よく知ってるね、カナン」

「仕事終わりに、同僚と飲みに来ることもあるからな」

えっ!?

目を丸くして、桜は聞く。

「カ、カナン、17よね!?未成年じゃない!」

驚く桜に、怪訝そうな顔をして頭をゆらした。

「何言ってんだ、17だぞ。成人年齢は15だろうが」

「ええ!?成人って20歳じゃないの!?」

桜の世界では、酒どころか選挙権だってない。
まだ子供に分類されるのに。

「お前の世界ではそうなのか。随分と遅い成人だな。道理で子供っぽいわけだ」

ふふん、と小馬鹿にしたように笑いながら、ドリンクメニューをひらひらと振る。

さすがにムッとした桜は言い返した。

「でも結婚は16歳からできるもん。男の人は18歳だけど。あっ、だから私は結婚できるけど、カナンは無理だね」

つーんと横を向いて見せる。

沈黙が流れた。
あれ、と思って前を見ると、頬杖をついて少し唇を尖らせたカナンが、すねたような顔で目を伏せていた。

(あ、かわいい)

ちょっときゅんとしてしまう。