デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

「ああ、すまないが、私達は無理矢理連れてこられただけなんだ。すぐ出ていく」

カナンがそう言って片手を上げる横で、何と桜がケープの留金を外し始めた。

「!?お前、何やってるんだ、やめろ!」

仰天してその手を押しとどめる。

「あついの……これ、取りたい……」

相変わらず頬を染めて、黒の瞳が潤んでいる。

今度は今にもフードを下ろしそうだ。

「待て待て待て!やめろ、取るな!」

焦ってその手をつかんだ。
慌てるカナンに、店主が困ったように尋ねる。

「あの……いかがなさいますか?お部屋を、ご利用になられますか?」

「………っ」

店主の前でフードを取られたら。

外に出ても、あんな人目のあるところでフードを取られたら。


それを考えると、選択肢は一つしかなかった。