とんとん、とカナンの肩を叩き、真剣な顔で諭した。
「悪趣味だと思ったんだがよ、話が聞こえちまってな。兄ちゃん、彼女にここまで言わせておいて、ちょーっと冷たいんじゃねぇか?」
「……いや、私達は」
「いじらしいじゃねーか、兄ちゃん好きさに、街中でフードをかぶるくらい慎み深い娘がだ、頑張って誘ってるんだぞ?男なら汲んでやれよ、その気持ちを」
「………」
事情の説明も出来ず、ただ黙って聞くしかない。
「おう、ちょっとこっち来い」
そう言うと、屈強な腕でカナンの腕をつかみ、桜ごと引っ張っていく。
「な……」
困惑していると、店主はついさっき二人が通り過ぎた、色街の横通りに入っていった。
その通りに入ってすぐの建物に、二人を放り込む。
「いいか兄ちゃん、お前もちっとでもこの娘に情があるなら、応えてやんな!」
唖然とするカナンと、ぴったりと寄り添う桜を置いて、さっさともと来た道を戻って行った。
ハア…と街の人間のお節介に頭を抱えて、さっさとその建物を出ようとする。
しかし、一歩遅かった。
いそいそとそこの店主―――まあ要はラブホだが―――が出てきて、にっこりと笑いながら部屋の案内をしてきたのだ。
「悪趣味だと思ったんだがよ、話が聞こえちまってな。兄ちゃん、彼女にここまで言わせておいて、ちょーっと冷たいんじゃねぇか?」
「……いや、私達は」
「いじらしいじゃねーか、兄ちゃん好きさに、街中でフードをかぶるくらい慎み深い娘がだ、頑張って誘ってるんだぞ?男なら汲んでやれよ、その気持ちを」
「………」
事情の説明も出来ず、ただ黙って聞くしかない。
「おう、ちょっとこっち来い」
そう言うと、屈強な腕でカナンの腕をつかみ、桜ごと引っ張っていく。
「な……」
困惑していると、店主はついさっき二人が通り過ぎた、色街の横通りに入っていった。
その通りに入ってすぐの建物に、二人を放り込む。
「いいか兄ちゃん、お前もちっとでもこの娘に情があるなら、応えてやんな!」
唖然とするカナンと、ぴったりと寄り添う桜を置いて、さっさともと来た道を戻って行った。
ハア…と街の人間のお節介に頭を抱えて、さっさとその建物を出ようとする。
しかし、一歩遅かった。
いそいそとそこの店主―――まあ要はラブホだが―――が出てきて、にっこりと笑いながら部屋の案内をしてきたのだ。
