まあシュリはどう思っているか知らないが、アスナイにとってそのこと自体はどうでもいい。
問題は―
一部の女性あるいはあろうことか男性間において、二人が同期武官以上のカンケイだとの妄想・憶測がまことしやかにかわされているということだ。
―まったく、冗談じゃない。
うすら寒くなって、アスナイはぎゅっと腕を組む。
その疑惑がシュリの耳に入った時、良くも悪くもまっすぐで素直な奴は、サブイボを見せつけながら、
「お、お、俺はお前なんか抱かねえからな!」
などとぬかしに来た。後にも先にも、我を忘れて人を殺しそうになったのはあれが一度きりだ。
「連れてきたぞ。行くか」
のん気に愛馬のリーをひいてきた相棒武官を冷たくひと睨みして、アスナイは馬上の人になった。
