デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~


「…可愛かったのになー……」

残念そうにしゅんと下を向き、ネコミミを袋にしまった。

その姿にすら、胸がきゅっと絞まるように感じてしまう自分は、相当桜に甘くなっていると思う。

「…さっさと私を選べばいいんだ」

ぽつりと、赤い顔のまま彼女に言う。

「えっ……」

「王宮の外で、一緒に住めばいい。それなら、文句言わずにそのふざけた物体でも何でもつけてやる」

小さな部屋を借りて、毎日一緒に食事をとって、仕事をして、夜には一つの寝床で安らいで。
桜とそれができたら、どんなにいいだろう。

見つめるカナンの眼差しに、真っ赤になる。

「え…えと………」

もごもごとうつむく桜に、ふっと笑った。

「分かってる。…待つから」

フードの中に手を伸ばし、ふに、とその頬を柔らかくつまんだ。

(カナン………)

自分を思う感情が、痛いほど伝わってくる。

(私、ひどいことをしてるな……)

その思いを、宙ぶらりんにさせてしまっている。

胸が痛んだ。