デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

(絶対、似合う…………)

緑の目、金の髪で、ツンとした美貌のこの人に。

ネコミミを持ったまま、じーっと自分を見る桜に、カナンは嫌な予感がした。

「……お前、まさか」

「お願い!カナン!」

「ふ、ふざけるなっ」

ぎょっとして後ずさる。

「ちょっと、当ててみるだけでいいから!」

「何言ってんだ!」

「絶対似合うと思うの!当てるだけ!」

きらきらとした瞳を向けられるが、無理だ。

「似合うとか似合わないとか、そういう問題じゃない!お前がつければいいだろ!」

「私じゃ似合わないよ、それに、今フードを脱ぐわけにはいかないでしょう?」

「だからって、こんな天下の往来でそんなものつけられるか!」

「うーん…じゃあ、王宮に帰ってからだったらいい?」

「もっとダメだ!!バカか、お前は!」

いつになく食い下がる桜に、カナンはたじたじだ。

絶対にうんとは言ってくれなさそうな様子に、桜はしびれをきらしてつい、と近づいた。

「えい」

ぽふん、と両手に持ったネコミミを、カナンの頭に当てた。

思った通り、この上なくしっくりくる。

(………!)

「かわいい!…やっぱり似合う!」

少し頬を染めて、嬉しそうに笑った。