デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

ダン!!

桜の両側の壁に手をついて、腕の中に閉じ込めた。

「カ………」

怯えに揺れる黒い瞳を見据える。強い目線に、縛られたように動けない桜の頭を両手でくっとつかんだ。

パサリ、とフードが落ちて、まるでそれが合図であるかのように、静かにカナンは頬を寄せて、少女と自分の唇を重ねた。

(………!?)

今度は桜の頭が真っ白になる番だった。

(カ………カナン?)

緑色の目がそっと細められ、かつてない近さで自分を見ている。
唇には柔らかくて、温かな感触。

頭がやっと状況に追いつき、一気に頬に熱が集まった。

あわててカナンの肩口を軽く叩くが、全く変わらない。

スル、と桜の頭をつかんでいた手が、片方は肩を抱き、もう片方はその腰をぐいと抱き寄せた。

一度そっと唇を離し、じっと驚きと恥ずかしさに震える彼女の顔を見つめた。

そしてまた、ゆっくりとふさぐ。

「んう……」

漏れる声が、胸の奥に小さく火をつける。

ぎゅっと腕に力を込めて、何度も何度も、わずかな音をたてながらついばむようなキスをしたあと、そっと体を離した。

首筋まで赤くして、混乱ではわはわと口を開けたり閉めたりする桜を見下ろして、カナンは金髪を揺らして言う。

「……こういう事だ。分かったか、バカ」