「違うよ…」
途方にくれた顔をして、小さく呟く。
ただ自分と夫婦だの恋人だの言われて、せっかくついてきてくれたカナンが不愉快な思いをしていないか、その一点だったのだが。
どうしてこんなに厳しく怒っているのか本当に分からなかった。
ふうっ、と大きく息を吐いたカナンが、もと来た道を歩き始めた。
「帰るぞ。王宮まで送るから、そこで解散だ」
「え…」
「お前も楽しくないだろ。また今度、気がねせずに来れる相手と来ればいい。もう私は御免だ。無駄な時間だった」
早口で桜を突き放しながら、どんどんスピードをあげる。
「ま…待って、ごめんなさいカナン、私本当にどうしてカナンが怒ってるのかわからないの。悪い所があるなら直すから、教えて」
「………」
「わ、私、すごく楽しみだったんだよ、カナンとお出かけするの。だから、お願い」
留まろうとする手を、それでも無理矢理引っ張っていく。
「カナン」
少し、震え声だ。
「……せっかく、王様にもお許しもらえたのに……」
その言葉で、一昨日の夜を思い出した。
気を揉みながら、つとめて深宮の中を考えないように仕事をしたあの夜。
情けなさと脱力感が押し寄せ、唇を強く噛んだ。
「私は一言もお前にそんな事頼んでない!!」
叩きつけるようにバッサリと切って捨てる。
途方にくれた顔をして、小さく呟く。
ただ自分と夫婦だの恋人だの言われて、せっかくついてきてくれたカナンが不愉快な思いをしていないか、その一点だったのだが。
どうしてこんなに厳しく怒っているのか本当に分からなかった。
ふうっ、と大きく息を吐いたカナンが、もと来た道を歩き始めた。
「帰るぞ。王宮まで送るから、そこで解散だ」
「え…」
「お前も楽しくないだろ。また今度、気がねせずに来れる相手と来ればいい。もう私は御免だ。無駄な時間だった」
早口で桜を突き放しながら、どんどんスピードをあげる。
「ま…待って、ごめんなさいカナン、私本当にどうしてカナンが怒ってるのかわからないの。悪い所があるなら直すから、教えて」
「………」
「わ、私、すごく楽しみだったんだよ、カナンとお出かけするの。だから、お願い」
留まろうとする手を、それでも無理矢理引っ張っていく。
「カナン」
少し、震え声だ。
「……せっかく、王様にもお許しもらえたのに……」
その言葉で、一昨日の夜を思い出した。
気を揉みながら、つとめて深宮の中を考えないように仕事をしたあの夜。
情けなさと脱力感が押し寄せ、唇を強く噛んだ。
「私は一言もお前にそんな事頼んでない!!」
叩きつけるようにバッサリと切って捨てる。
