デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

二人が退出し、桜がちょうど昼食を食べ終わった頃、カナンがやってきた。

「あれ、カナン早かったね。ごはんちゃんと食べた?」

「……ああ」

どこかそわそわとしている。少しだけ頬が染まって、なんとなく嬉しそうだ。

「どうしたの?」

カナンの分のお茶を注ぎ、戸口の所まで持っていく。

「…お許しが出たから、明日朝、迎えに来る」

「え、ほんと!?やった!」

パッと桜の顔が笑顔になった。

「私こっちの世界の街をゆっくり見るのって初めて。楽しみ!ありがとう、カナン」

「……ん」

少しはにかんだように、カナンがうなずいた。

その時、フラウの声がよみがえる。

“はたから見たら、立派なデートですもの”

思わず赤面。

(違う違う!カナンは案内してくれるだけ、わたしの退屈しのぎに付き合ってくれるだけ!)

フルフルと頭を振る桜に、不思議そうな目を向けた。

「どうした、桜?」

「な、何でもない!」

あわてて、笑顔を作った。