デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

朝、桜が目を覚ますと、もう隣に王の姿はなかった。

(……お仕事、行ったんだ。私グーグー寝てて、見送りもしなかったな)

しまった……と思いながら寝台から降りて、夜着から昨日のワンピースに着替えた。部屋いっぱいに朝日が差し込んで明るいのに、ガランとした大きな部屋が妙に寂しい。

昨夜はあんなに動揺し翻弄されて、早く終わって欲しいと思っていたが、今隣にあの人がいないことが少しだけ心細かった。

トントン、と戸が叩かれ、女官が顔を出した。

「お目覚めでございますか」

「あ…はい」

「では、出口までご案内いたします。朝餉は客用の宮でご準備させていただきます」

スッと一礼し、桜の前に立って歩きだした。


部屋に戻ると、すぐに朝餉が来た。

持ってきたのは、いつものフラウとルネだ。

「おはようございます、桜様」

「あ…おはようございます」

膳を置きながら、なんの気なしにフラウが言った。

「昨夜は、別の場所で夕餉をお取りになったんですね」

「あ…はい、王様と一緒に」

その言葉に、驚愕の表情で二人が桜を見た。

「「我が君と!!??」」

「えっ…」