デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~


すうすうと、小さな寝息が聞こえる。

緊張も、寄せる眠気には勝てなかったようで、仰向けで顔だけこちらに向けて無防備に眠る少女。

黒髪が一房、顔にかかっている。

そっと、長い指先がそれを後ろへ流した。

しばらくゆっくりと、髪を撫でる。

くすぐったさからか、ふふ、と少女の口元がほころんだ。

そしてまた、規則的なリズムが始まった。

月光を背にした影が彼女に近づいて、その額にゆっくりと口づけをした。

そして、こめかみに。

サラサラと落ちる藍色の髪は、星明かりを受けて一層蒼い。

頬に、少しだけ長く唇を落とす。

最後に、その眠りを妨げないよう、小さく開かれた唇に触れるか触れないかの口づけをした。

明日が出来るだけゆっくり来てほしいと願いながら、紫の瞳が閉じられた。