デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

いや、少なくとも私は見られたら恥ずかしい。だって、あの時……

そう、王都を目指す旅の途中で、水浴びをしていた時に、シュリとアスナイに一度思いっきり見られた。

じゃあその時の二人の反応って、どうだったっけ。 
もう動揺しまくってて、あんまりよく覚えていない。

でもたしか…

「あの時シュリさんもアスナイさんも、気まずそうにはしてたな……」

つい、考えていたことが口に出た。

ハッとして口元を手で押さえたが、もう遅い。

「……どう言う意味だ?桜」

頭上から、低い声がする。

チラリと見ると、今までのからかうような微笑みは消えて、冷たい表情で自分を見下ろす王。

「あの…いや、それはですね……」

「私の介添は嫌で、あの二人には随分と優しくしてやったというのか?」

手を伸ばし、桜の顎をヒヤリとした指先でつかんだ。
暗い瞳で見据えられ、背筋が震える。

「ち、違いますよ!事故です事故!」

あわてて否定し、渋々事の次第を打ち明けた。

納得はしたようだったが、やはり不機嫌な顔をしている。
しばらく黙っていたが、

「……決めた。介添ではなく、一緒に入る」

とんでもない事を言い出し、桜の腕を引っ張って湯殿へ向かった。