「私とて同じだ。恥をしのんで、しばらくぶりに一曲、そなたに聴かせようというのだ」
王は片眉を上げて笑ってみせた。
「そなたの世界の歌、ぜひ聴いてみたいものだな」
す、と立ち上がると、部屋の隅にある大きな戸棚の箱を開け、笛を取り出した。
くるくる、とそれを手の中で回し、またソファに戻ってくる。
(うう…王様の笛は聴いてみたいけど…まさか私も歌うはめになるなんて)
王は完全にその気だ。もう今更、『やっぱいいでーす』なんて言える感じではない。
フッ、と笛の表面をを一吹きし、ちらりと桜を見て、そっと吹き口に唇を持っていく。
すう、とブレスの音が聞こえ、曲が始まった。
(わあ………)
伸びやかな、流れるような音色。ゆっくりと部屋を満たして、そこかしこでゆらゆらと揺れているようだ。
艶のあるその美しさは、優しい旋律とあいまって、聴くものを包み込む。
桜はそっと目を閉じた。寄せては返す波のように、ゆっくりと自分の心を揺さぶる。
王も彼女の唇に浮かんだ微笑みに、目を細めた。
そして幸せな余韻を残し、静かに曲が終わった。
桜は目を開け、きらきらと瞳を輝かせながら拍手する。
「すごく、素敵でした!今まで聞いたことないくらいに。王様、すごいです」
「…褒めすぎだ」
また手の中でくるくると笛を回し、小さく笑って横を向いた。
「ううん、本当です。いいなあ、王様ってほんと、何でも持ってるんですね」
自分が一番欲しくてたまらない女性からそんなことを言われ、思わず盛大に苦笑いした。
王は片眉を上げて笑ってみせた。
「そなたの世界の歌、ぜひ聴いてみたいものだな」
す、と立ち上がると、部屋の隅にある大きな戸棚の箱を開け、笛を取り出した。
くるくる、とそれを手の中で回し、またソファに戻ってくる。
(うう…王様の笛は聴いてみたいけど…まさか私も歌うはめになるなんて)
王は完全にその気だ。もう今更、『やっぱいいでーす』なんて言える感じではない。
フッ、と笛の表面をを一吹きし、ちらりと桜を見て、そっと吹き口に唇を持っていく。
すう、とブレスの音が聞こえ、曲が始まった。
(わあ………)
伸びやかな、流れるような音色。ゆっくりと部屋を満たして、そこかしこでゆらゆらと揺れているようだ。
艶のあるその美しさは、優しい旋律とあいまって、聴くものを包み込む。
桜はそっと目を閉じた。寄せては返す波のように、ゆっくりと自分の心を揺さぶる。
王も彼女の唇に浮かんだ微笑みに、目を細めた。
そして幸せな余韻を残し、静かに曲が終わった。
桜は目を開け、きらきらと瞳を輝かせながら拍手する。
「すごく、素敵でした!今まで聞いたことないくらいに。王様、すごいです」
「…褒めすぎだ」
また手の中でくるくると笛を回し、小さく笑って横を向いた。
「ううん、本当です。いいなあ、王様ってほんと、何でも持ってるんですね」
自分が一番欲しくてたまらない女性からそんなことを言われ、思わず盛大に苦笑いした。
