「……もう少し、話がしたい…」
ぽつりと王が言う。出来れば、ずっと。
「でも、王様ももうすぐごはんですよね?明日もお仕事でしょう?疲れちゃいますよ。それに、カナンもずっと待ってますし……」
そう言って、桜は昼間のカナンとの会話を思いだす。
あ、そうだ。王様に外出すること頼まなきゃ。
「あの、王様」
「……ん?」
「明後日、カナンと一緒に街に出てみたいんですけど。カナンが非番で、王様が許せば連れてってくれるそうです」
嬉しそうに瞳を輝かせる桜に、王は顔をしかめた。
ものすごく面白くない。
外出一つするにも大事になる自分には、桜と二人で街を歩くなど絶対にできない事だ。
それを、ただでさえ離れがたく思っている今、嬉しそうに言われて、湧き上がるいら立ちをどうしようもなかった。
「……そなたの髪と瞳の色を、街の人間が見たらただでは済まないだろう。ケガをしたらどうする」
「髪をまとめて、フード付のケープをかぶっていきます。危ない場所には行きませんから。それに、カナンもいてくれます」
「………」
「王様、カナンは本当は王都武官になれるくらい強いんですよね?きっと大丈夫です」
同い年の二人の、等身大の仲の良さが伝わってきて、王はますます不機嫌になる。
ぽつりと王が言う。出来れば、ずっと。
「でも、王様ももうすぐごはんですよね?明日もお仕事でしょう?疲れちゃいますよ。それに、カナンもずっと待ってますし……」
そう言って、桜は昼間のカナンとの会話を思いだす。
あ、そうだ。王様に外出すること頼まなきゃ。
「あの、王様」
「……ん?」
「明後日、カナンと一緒に街に出てみたいんですけど。カナンが非番で、王様が許せば連れてってくれるそうです」
嬉しそうに瞳を輝かせる桜に、王は顔をしかめた。
ものすごく面白くない。
外出一つするにも大事になる自分には、桜と二人で街を歩くなど絶対にできない事だ。
それを、ただでさえ離れがたく思っている今、嬉しそうに言われて、湧き上がるいら立ちをどうしようもなかった。
「……そなたの髪と瞳の色を、街の人間が見たらただでは済まないだろう。ケガをしたらどうする」
「髪をまとめて、フード付のケープをかぶっていきます。危ない場所には行きませんから。それに、カナンもいてくれます」
「………」
「王様、カナンは本当は王都武官になれるくらい強いんですよね?きっと大丈夫です」
同い年の二人の、等身大の仲の良さが伝わってきて、王はますます不機嫌になる。
