デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

「せっかくのお休みなのに、いいの!?カナン!ありがとう!」

頬をピンク色にし、黒の瞳をきらきらさせてカナンを見上げている。

「………」

こんなに喜ぶとは思わず、驚くカナン。

(………っ…かわい………)

思わず心の声が漏れそうになり、あわててまた前を向いて歩き出す。

「お許しが出ればの話だからな!」

「うん、私も王様に頼んでみるよ」

久しぶりの外出だ。
元いた世界では引きこもってばかりの桜だったが、読める本もネットもテレビもないここでは、さすがに外に出ないとどうしようもない。宮中では皆仕事をしているから、人の邪魔をするわけにもいかなかった。

(嬉しいな。カナンだったら一緒にいても緊張しないし、よかった…)

横を歩く金髪の少年がその言葉を聞いたら、微妙な顔をしただろうが、桜は全く気づいていない。

さっきの薄紅女官の件はまだ心に引っかかってはいたが、カナンの提案のおかげで自責の念のループを脱することができた。