デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

それからしばらくして、カナンが迎えに来た。

「我が君のお召だ、行こう」

「あ…うん」

何となく顔色がすぐれない桜を見て、カナンは言った。

「心配するな。こうしてお召があるってことは、もうお怒りは解けているはずだ」

(そうじゃなくて……何か、怖い……)

さっきの、薄紅女官たちの件の衝撃が、まだ尾を引いている

さあ、と促すカナンと連れ立ち、渡り廊下を歩き出した。

「…ねえ、カナン」

「何だ」

「薄紅女官さん達が、辞めさせられたって、本当?」

どこから聞いたのか。桜の耳の早さに、カナンは驚いて彼女を見た。

「……よく知っているな。その通りだ。王がお前を今朝叱責した後、謁見が始まる前にお決めになった」

「…………」

そのタイミングで…。

桜の顔が青くなる。自分のせいで、大勢の女性が職を失ったのだろうか。

「私のせいかな、カナン。私が、昨日王様にあんなこと言ったから」

王様の気持ちを信じますと言ってしまったから。

動揺して、赤いワンピースの胸元を押さえる。

「……まさか」