デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

謁見の後、訪れた神宮の使者から神告を聞いた。

『向こう三月は内乱は無し、一月後雨暑期』

極めて平和的なもので、王は一安心した。
『魔』の対策もした上で内乱が起こると、非常に面倒だ。

何より、労働時間がぐっと増える。大臣や文官が、椅子に縛り付ける勢いで政務を迫ってくるので、ある意味『魔』よりたちが悪いと思っていた。

「ご使者。神児に要請文を書いた。届けて欲しい」

さっきの結界の件だ。
通常の結界を張り続けるのは神児の負担も大きくなるので、外部からは入れず、内部からは出られる結界を要請した。
物流を止めないよう、大門だけは除くが、そこも一日のうちに何度かと決めた。

「かしこまりました」

真っ白な衣に、緋色の帯を締めた使者が一礼し、うやうやしく文を受け取って退出した。

ようやく政務から解放された王は、じゃらじゃらとまとわりつくアクセサリーを取るべく控えの間に向かう。

少し遅めの昼食を取ったら、桜との時間だ。

自分を信じてくれると言われたときの気持ちを思い出し、その口元には自然と微笑みが浮かんでいた。