デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

カナンがふう、と安堵したような息をついた。

「…何だ、案外元気じゃないか。もっとしょげてると思ったんだが」

少し頭をかしげ、金髪がサラ、と音をたてた。

(あ、もしかして)

「心配して来てくれたの?」

頭一つ分ほど高い場所にある緑の瞳を見上げた。

「!」

見上げられたカナンは、思わず赤面する。

きちんとメイクがされた唇は艷やかで、いつもより開いた胸元からは二つの膨らみの作る影がわずかにのぞいていた。

(騙してるようで、申し訳ないな)

桜はそんな事を考えていたが、少年は慌てて横を向いた。

「別に。…お前、それより」

その格好で、あんまり外をうろつくな。

そう言いたかったが、独占欲を桜に知られるのが恥ずかしくて、ネコのような目でじろりと睨むことしか出来なかった。