デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

「……やっぱり、あそこで着るんですか……」

冷や汗を浮かべる。

「何か言ったっ!?子豚ッ」

「……着ます…」

なるべく手早く破れたイエローのワンピースを脱いで、ミントグリーンのそれを身に着けた。

可憐な雰囲気で、桜の年の頃の少女っぽさをよく引き立てている。

「……ン、さすがアタシ!子豚がミニブタくらいには可愛らしくなったわ!!」

褒められてるんだかけなされてるんだか分からないまま、次は赤いワンピースを試着した。

少し胸元の開いた大人っぽいもので、ストンとしたマキシ丈のラインの中にもオーガンジーの柔らかさが効いていて、赤の強さに負けない優しげなものだ。

「自分の才能が怖いわ……子豚にこのラインを似合わせるって天才よ!ねえ!?アタシ天才よ!!」

興奮のあまり、桜をまたがっくんがっくん揺さぶった。

「は……はひ……しゅごいです……」

しばらくなされるがままだったが、シディが何か思い出したらしく、鏡台へ向かう。

「子豚、しばらくこれ、つけなさい」

まだフラフラする桜にシディが差し出したのは、小さなケースだった。

「何ですか、これ」

「アタシの折り紙つきの、超強力ボディ用ファンデーションよ。カバー力は保証するわ」

蓋を外して適量取り、桜の首から胸元に残る赤い痕にトントンとなじませてゆく。