デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

またしばらくの沈黙の後、シディは静かに言った。

「別に、アナタが謝ることないでしょ。王がおっしゃってたワ。悪いのは自分で、アナタには一つの落ち度もない、統括長の誇りを傷つけてすまないが、よろしく頼むってね」

「………」

ふう、と小さくため息をついて、シディは細い腰に手を当てた。

「で、何ともないの?」

「は?」

「相ッ変わらず察しの悪い子豚ねッ!!アナタのことよッ!未遂だったの!それとも豚カツになって、美味しくいただかれちゃったの!」

「あ……う……み…未遂、です……」

赤くなりながら、あわあわと答えた。

「フン……そ。ま、良かったじゃない。アタシの可愛いワンピちゃんも、それなら浮かばれるわ」

「シディさん……」

「それから安心なさい、アタシはこの事誰にも言わないわ。っていうか、恐ろしくて言えないわ」

ぶる、と身体を一度震わせて、フリフリと膨大な服の列に突っ込んで行く。

しばらくゴソゴソと服をあさる音がしていたが、間もなくして二つのワンピースを持って帰ってきた。

一つは、綿のような素材でできた、ガーリーな白の刺繍が可愛い、Aラインスカートのミントグリーンのワンピース。
もう一つは燃えるような赤のオーガンジーのワンピース。胸のすぐ下に切り替えのある、ジュリエットラインだった。

「わあ…」

目を見張る桜に、

「着てみなさい」

と鏡を指差す。