デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

「じゃあ、早く戻らないとですね」

「うん………」

離れたくない。この心地よい場所から。

すり、とまた額を柔らかな肌に寄せた。

「……王様、皆、困ってますよ。私ちゃんと王様のこと信じますから、行ってあげてください」

離れがたいのは、それだけではないのだが。

この鈍いのは、どうしようもないのか…

しぶしぶ顔を上げ、一度頭を振った。そして、じっと桜を見つめた。

「桜……手荒な真似をしてしまって……本当にすまなかった。だが…私が今そなたに言ったことは、神に誓って本当だ。だから………考えて、みてほしい」

一瞬首をかしげたが、告白の事だと思いいたって、耳まで真っ赤になった。

何とも返事のしようがなく、ぎこちなく話を変える。

「は…あ…あの…えと……あ、やっぱり馬車を、貸して頂けないですか」

途端に、王の顔が強張った。それを見て、桜があわてて手を振る。

「ち、違います、王宮神処に行くんじゃなくて、あの、シディさんのところに……服が………」

恥ずかしそうに、はだけた前を寄せてうつむいた。

はっ、と息を呑み、王は眉をひそめた。

「すまぬ……すぐ、用意させる。ダメだな……私も、そなたを信じなければ」

渋い顔で立ち上がり、そっと桜に手を差し伸べた。