デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

「んんっ!??」

驚きに目をむいて、一瞬固まる。

(…嫌!)

顔をしかめ、足をじたばたさせながら美しい上衣の胸を押し返すが、びくともしない。

王の両手が桜の手首をそれぞれとらえて、彼女の顔の両横に押し付けた。

「はぁ……っ……」

二つの唇が離れて、ほんの少しだけ呼吸の間を与えた後、また深くつながる。

「んー!!んん!」

ぶんぶんと顔を振って、ようやく息が自由になる。

「な、何を……するんです、か……!」

黒い瞳が揺れて、動揺で言葉が回らない。

「許さぬ。………帰るなど」

美しい顔をゆがめて、低い声で王は言った。

「は……!?」

なぜそんな事を言われるのか、なぜこんな体勢に持ち込まれているのか、全く分からずに桜は混乱した。

「私の心に、こんなに踏み込んでおきながら……彼方に去るなど、絶対にさせぬ!」

叩きつけるような言葉のあと、ぐっ、と桜のワンピースの襟元に手をかけた。
ビイィ、とシフォンの裂かれる高い音がして、桜の胸の下までが一気にさらされた。

「きゃ……!?い、嫌!!」

青くなって、自由になった手を振りかぶったが、簡単に捕らえられてしまった。