デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

次の日、もう習慣になりつつある朝風呂に入りながら、桜は考えた。

(王宮神処に、行ってみようかな…)

午前中ブラブラしているより、少しでも元の世界に戻る方法を探ってみようと思ったのだ。

(早く帰らなきゃ。やっぱり、ここは私のいるところじゃないんだから)

昨日の、王の悲しみに打たれたような、どこかすがるような顔が忘れられない。

どうしてあんな表情するんだろう。それとも、あれも嘘なんだろうか。

シクシクと痛む胸を押さえて、努めて考えないようにする。

(私がここに来たのは、きっと科学じゃ説明できない力よね)

じゃあ、どちらかというと王よりも神力を使う【神児】と呼ばれる人の領域だろう。
でも、そうおいそれと会える人ではなさそうだ。

王宮神処に行ったとき、いつか神児からお召があると言われたが、いつになるか分からない。

あの知性にあふれた神官なら、何か知っているかもしれない。

そう思ったのだが、問題が一つ。

(どうやって行こう…道が分からない)

馬車を借りるしかないだろうが、どうすれば。

宮中の適当な人間を捕まえて聞いてみようかと思ったが、この外見だ。教えてくれるかどうか。

(カナンに、聞いてみようかな)

そう考えてもみたけれど、カナンは近侍で、王の近くで一日中仕事がある。邪魔になるばかりだし、公宮のどこにいるか分からない……。