デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

「でも、全然違った。ちゃんと、王様には側にいてくれるきれいな人がたくさんいて、私は勝手に舞い上がって、ただ的はずれな心配をしてただけだった。王様の気遣いを、真に受けるなんて」

自嘲するように小さく笑って、カナンの後ろにある深宮を見た。

入り口はもうしっかりと閉じられている。

「思い込みの激しい重い女って感じだよねえ。恥ずかしい……笑わないでよ?」

そう言ってカナンにヘラっと笑った。

口をひき結んで、カナンが桜に近づく。
そして次の瞬間、彼女を腕に、胸に抱きしめた。

驚きに目をむいて、桜は突っ立っている。

「カッ…………カナン?」

「あんな、妖怪みたいな女共なんか、気にしたら負けだ」

あんな美人を捕まえて、妖怪って……

「お前……のほう、が、ずっと……いい女だ」

頬を真っ赤にして、カナンが言う。そんな顔を見られたくなくて、桜を抱く腕に力を込めた。

「……ありがとう、カナン」

桜も頬を染めて、お世辞に当たり障りのないお礼を言った。

「嘘は言わないと、言っただろ!本当だ!」

照れ隠しで怒ったように、大声を上げた。