デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

出入り口に出ると、カナンが待っていた。

夕日がその金髪に反射して、きらきらと眩しい。

「帰ろ、カナン」

笑顔を作り、その緑の瞳を見て、渡り廊下へ出る。

「今日はね、王様に政治の事を教えたんだよ。私が。すごくない?」

ふふ、と笑って歩き出した。

「桜。……どうした」

先を行く桜に、静かにカナンが問いかけた。

「え?何が?」

歩きながら、振り返らずに聞き返す。

「…我が君と、何かあったんだろう」

「何にもないよー。カナンこそどうしたの、いきなり」

カナンが足を早め、桜の手を取った。そのままくるりと、自分の方へ体を向けさせる。

桜の目からこぼれていた涙が、夕日の光の中に散った。

「下手な嘘つくんじゃない」

「……」

うつむく彼女に、そっと言った。

「私はお前に嘘は言わない。だから、お前も正直に話してみろ。その………友人だろ」

桜でなく、自分の心に嘘をついて。

「………」

「桜」

ごし、と目元をこする。

「…私、やっぱ結構傷ついてたみたいだ」

ぽつりぽつりと、昨日からのことをカナンに話した。

「…でもね、王様がね、長く生きてるけど、私と話すことがこんなに楽しいって言ってくれて、本当に嬉しかったんだ。もしかしたら、こうやってずっと重いものを背負い続けてる人に、私でも何か出来たのかもって」

「………」

「それで、もしかしたら王様も本当は独りなのかも知れないって思ったの。何となくだけどね。…勝手に、自分と重ねてたのかもね」

カナンは静かに、桜の話に耳を傾ける。