「今日は私が聞いてばかりだな。そなた、何か聞きたいことはないのか」
肘をつき、指で頭を支えながら微笑んだ。
「昨日のぶんもお話すると言いましたから、私はいいですよ」
視線を落とし、静かに茶器に口をつける桜。
「桜」
「はい」
「……いや…」
目を見る。笑って話す。聞いたことには、一生懸命答える。
なのに、なんだろう。この遠い感じは。
じわじわと、王の胸に焦りのようなものが広がっていく。
何か、桜が自分に対して決定的な一線をひいているような。
「まあ…そう言うな。何か、あるだろう?」
何か、彼女からの言葉が欲しくてうながした。
「……では、宮中の皆さんの、役職について教えてください」
「宮中の役職?」
「ええ。一ノ所、ニノ所、三ノ所それぞれの統括長、近侍は分かりました。他に、どんな役職があるんですか」
なぜそんな事を聞くのだろう。戸惑いながら王は一つずつ挙げていく。
まずそれぞれの長の副官、宮廷付の武官、その中でも近衛、そして宮中の臣下を束ねる重鎮の二人の大臣。下は厩舎係や御者など、肉体労働を主とする小者。宮中の役職のまだついていない文官たち。そして、生活の世話をする女官。
「文官は、カナンみたいな長い着物を着てる方たちですね」
「ああ」
「女官は?」
桜は真っ直ぐ王を見つめて聞いた。
「ああ、ここでもよく見かけるだろう。白い衣を着た女たちだ」
「…それで、全部ですか」
「?…ああ」
「………そうですか」
ありがとうございます、と言って、桜はまた黙って前を向いた。
肘をつき、指で頭を支えながら微笑んだ。
「昨日のぶんもお話すると言いましたから、私はいいですよ」
視線を落とし、静かに茶器に口をつける桜。
「桜」
「はい」
「……いや…」
目を見る。笑って話す。聞いたことには、一生懸命答える。
なのに、なんだろう。この遠い感じは。
じわじわと、王の胸に焦りのようなものが広がっていく。
何か、桜が自分に対して決定的な一線をひいているような。
「まあ…そう言うな。何か、あるだろう?」
何か、彼女からの言葉が欲しくてうながした。
「……では、宮中の皆さんの、役職について教えてください」
「宮中の役職?」
「ええ。一ノ所、ニノ所、三ノ所それぞれの統括長、近侍は分かりました。他に、どんな役職があるんですか」
なぜそんな事を聞くのだろう。戸惑いながら王は一つずつ挙げていく。
まずそれぞれの長の副官、宮廷付の武官、その中でも近衛、そして宮中の臣下を束ねる重鎮の二人の大臣。下は厩舎係や御者など、肉体労働を主とする小者。宮中の役職のまだついていない文官たち。そして、生活の世話をする女官。
「文官は、カナンみたいな長い着物を着てる方たちですね」
「ああ」
「女官は?」
桜は真っ直ぐ王を見つめて聞いた。
「ああ、ここでもよく見かけるだろう。白い衣を着た女たちだ」
「…それで、全部ですか」
「?…ああ」
「………そうですか」
ありがとうございます、と言って、桜はまた黙って前を向いた。
