デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

今日、王が聞いたのは、桜の国の政治制度についてだった。
桜の知識は中学の『公民』と高校生活で習っていた『現代社会』のみだったが、それでも時間がかかる。

『選挙』という言葉から説明しないといけない。

「民の代表が、政治をなすのか……」

聞いたことのない仕組みに、目を輝かせた。

「あと…王様の世界とは違うのは、ええと、地方自治ですかね」

「チホウジチ…」

「国を、少しずつ分けて、そこにトップや議会を置くんです。その地方はその地方で、政治をしてもらうんですよ」

「独立を求めて、内乱が起こったりしないのか」

「国として成り立つほど、大きくてお金のある地方はありません。でも、確か外国ではあったと思います」

「ガイコク?ガイコクとは何だ?」

(えええ……)

こんな感じで、時間は過ぎてゆく。

「……面白いな、そなたの国は。なるほど王がいなくても国としてやっていける」

「問題も多いですけどね。私はどちらがいいとか、悪いとかはないと思いますけど。ただ…」

「ただ?」

王様一人が、国の全部を背負い込わないといけないことはないです。

そう言いかけて、桜はやめた。

「…なんでもないです」