デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

「遅くなっちゃいましたね。行きましょうか」

謝罪ができて、多分許してくれたらしいカナンに、ホッとした桜は言った。

「はい」

ほんのわずかだが、微笑みをうかべたカナンも、桜と戸口を出る。
長い渡り廊下を、なんとなく隣り合って歩いた。

カナンの心の負担にならないよう、近すぎないよう、そっと距離を取る。

昼の陽の光が、対照的な金の髪と黒の髪を照らしている。

「カナンさんって、おいくつなんですか」

ふと、桜が聞いた。

「17です」
「え、一緒だ」

嬉しくなってパッと笑う桜に、カナンも目を丸くする。

「桜様は……年下かと思っていました」
「う…そんなに子供っぽいかな。やっぱりお仕事をすると、大人っぽくなるのかな」

呟いて、首をかしげる。そして、またカナンのほうを向いた。

「じゃあ、敬語やめてください、カナンさん。同い年ですから」

ぎょっとして、緑の目を瞬かせる。

「そんな訳にはまいりません。あなたは王の客人です」
「あ…すみません、馴れ馴れしくて」

つい嬉しくて、バカな事を言ってしまった。
さっきまであんなに気まずかったのに、変わり身の早い奴と思われても仕方ないだろう。