デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

「あなたは、私が穢らわしいとは、思わないんですか。女を受け入れられず、王都武官になれなかった私が、情けないとは」

どうしても信じられず、疑問をぶつけた。

「え……?」

予想だにしていなかった問いかけに、桜は少し動揺したが、うーん、と首をひねった。

「でも必死で、生きていくためだったんですよね?女の人がだめっていうのは、その代償みたいなものだから…アリだと思います。……あんなひどい事言っといて、何ですけど」

あっさりと肯定する桜。カナンは呆気にとられた。

「それに、これからもずっと女の人が苦手とは限らないじゃないですか。いつかカナンさんも、好きな人が出来るかもですよ。そしたら王都武官にだって、なれるんじゃないんでしょうか」

目を丸くするカナンに、至極真面目にそんなことを言う。

「……そんな、簡単ではありませんよ……」

思わず泣き笑いのような表情になる。本当に、何なのだろう、この娘は。

ふっと口をつぐむカナン。少し沈黙して、口を開いた。

「…私の方こそ、すみませんでした。あなたをよく知りもしないで……無礼な事を言いました」

そして、一礼する。その瞳は、真っ直ぐ桜を見ていた。

こそばゆいような、恥ずかしいような気持ちになって、桜は軽く頭を振った。