デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

王が立ち去った後、部屋で一人ぼんやりと物思いにふける。

(…お昼ごはんの後、部屋に呼ぶって言ってたよね。って事は、カナンさんが呼びに来るのか………)

どう謝ればいいんだろう。いや、どんな顔して会えばいいんだろう。

(淡々としといた方がいいのかな。でもなぁ〜…そしたらもう、謝るタイミングないよなあ)

うだうだと考えこんでいると、戸が小さく叩かれた。

「はい」

「失礼いたします…お昼をお持ちいたしました」

「あ、はい」

ソファの上で居住まいを正すと、若い女官が二人、膳を持って入ってきた。

それをテーブルの上に置き、さらに。

「こちらは、我が君からでございます」

「!?」

大きな菓子盆の上に、色とりどりのお菓子がどっさり盛られている。たっぷりの急須に、熱いお茶が準備されていた。

「な…何ですか、これ…」

「菓子でございます」

そういう事を聞いてるんじゃない。

さっきの王との会話を思い出した。
とっさに『お菓子が食べたい』と適当に言ったが、早速それを守ってくれたらしい。
しかし、これはどう見ても一人分ではない。四、五人分はある。

「では、失礼いたします」