デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

次第にその美貌が花開いてくると、客の付かない娼婦たちが、彼に慰めを求めてくるようになった。

“カナン…あたしたちの、かわいいカナン…”
“ふふふ…なんて素敵なの……美しいカナン………”

自分の身体に絡みつく、たくさんの白い腕。
死んだほうがマシかもしれないと、毎日思っていた。

13になったある日、カナンを買った中年男が、彼を呼び出した。

“お前にも、客をとってもらう。お前を見て、是非買ってみたいという方が多くてな”

もう、限界だった。

気がつくと、無我夢中で館の前の道を走っていた。

恐怖に血走った目は、ひたすら前しか見ていない。その両手は、血でベットリとぬれていた。

早く、早く。

娼館の主人が、めった打ちにされた撲殺体で見つかるのは時間の問題だ。

なるべく遠くへ逃げなければ。

死にたくない、死にたくない――――