次の日の早朝、主に事務仕事をする【執政の間】で、昨日上がってきた請願書に目を通す王の姿があった。
この国の全ての嘆願が集まって来るのだから、一日分だけでも膨大な量なのだが、ほとんどを一見して即判断を下していくため、王の裁定をその請願書に書きとめる執政補佐官たちのほうが必死だ。
『素晴らしい即断即決ぶり』
『名君とは、我らが主君を言うのだ』
と臣下は口を揃えて言う。
確かに王は抜きん出て聡明だったが、それだけではなかった。
“人の請願というのは、いつの世も似たようなものがあがってくる”
長い時の中を生きてきた彼には、あらかじめ答えがわかっているようなものがほとんどなのだ。
なので、朝の事務仕事は三時間もあれば終わってしまう。
それが終わると、今度は謁見の時間になる。
女官がやってきて、王の身を飾る耳飾りや腕輪などをつけて準備をする。
体が重くなるようであまり好きではないのだが、廃止しようとするといつも重鎮の大臣たちが猛反対する。
『王の威にかかわります!』
と、絶対に譲らないのだ。
アクセサリーをつけ終わり椅子から立ち上がると、カナンがやってきた。
「我が君、表を開門してもよろしいですか」
いつものように静かな表情で尋ねた。
「ああ」
王が頷くと、一礼して下がろうとする。
この国の全ての嘆願が集まって来るのだから、一日分だけでも膨大な量なのだが、ほとんどを一見して即判断を下していくため、王の裁定をその請願書に書きとめる執政補佐官たちのほうが必死だ。
『素晴らしい即断即決ぶり』
『名君とは、我らが主君を言うのだ』
と臣下は口を揃えて言う。
確かに王は抜きん出て聡明だったが、それだけではなかった。
“人の請願というのは、いつの世も似たようなものがあがってくる”
長い時の中を生きてきた彼には、あらかじめ答えがわかっているようなものがほとんどなのだ。
なので、朝の事務仕事は三時間もあれば終わってしまう。
それが終わると、今度は謁見の時間になる。
女官がやってきて、王の身を飾る耳飾りや腕輪などをつけて準備をする。
体が重くなるようであまり好きではないのだが、廃止しようとするといつも重鎮の大臣たちが猛反対する。
『王の威にかかわります!』
と、絶対に譲らないのだ。
アクセサリーをつけ終わり椅子から立ち上がると、カナンがやってきた。
「我が君、表を開門してもよろしいですか」
いつものように静かな表情で尋ねた。
「ああ」
王が頷くと、一礼して下がろうとする。
