デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

間もなくして、出入り口についた。オレンジ色の光が差し込んでいる。

「わざわざ送って頂いて、ありがとうございました。また明日」

頭を下げて、桜は外に出ようとする。

(…また、明日…)

不思議と心が浮き立つその言葉に、王は目を細めた。

「桜」

その背中を呼び止めた。

「?はい」

再び王の方に向き直ると、黒の瞳が夕日の光を映して揺れているように見える。

「今日の礼だ」

そう言うと、その輝きに魅入られるように、ひんやりとした大きな手がそっと彼女の顔を上向かせて――――

唇が重なった。