デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

満足そうに微笑む王に、桜もほっとした。

「楽しかった。…明日も頼む」

「はい」

返事をし、ごちそうさまでしたと頭を下げて立ち上がった。

「出入り口まで送ろう」

帳を払い、二人は廊下に出る。

女官が慌てて案内を代わろうとしたが、片手をそっと上げて制した。

歩きながら、まるで星座盤の様な天井画を見上げた。

(公宮の豪華な絵より、こっちが好きかもしれない)

「……きれいな絵ですね」

「そうか。気に入ったか?」

「はい、星座の伝説を思い出します。子供の頃、家に本があって何度も読みました」

ロマンチックな伝説の数々は、独りぼっちの桜を虜にしたものだった。

「セイザ?」

再び紫の瞳に好奇心の光を宿し、桜を振り返る。

「また、お話します」

その食いつきぶりに、思わず笑って答えた。

すると王は少し目を見開いた後、

「ようやく、私にも慣れてくれたか?」

穏やかに笑った。彼なりに、気を使っていたのかもしれない。