デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

そこからは一転して、桜の話になった。
と言っても、桜が一つ喋るごとに王が目を丸くして質問するので、一向に進まない。

『自分の国では、神様を本気で信じてる人はそんなにいないと思います』と、『現代は王様はいないし、強制されるような身分制度もない』という話にはとても興味を持ったようだった。

「神力のような力もないのか?」

信じられないという顔で桜に聞く。

「ないです。それはあくまでおとぎ話とかの話で、現実にはないんです。ええと……科学があるから」

「カガク?カガクとは何だ?」

そこから?と言いたくなるような質問は、かえって答えにくい。

ああ、もうちょっとちゃんと勉強しとけばよかったと悔やみながら、何とか説明していく。

いつしか、部屋の中には夕日がさし始めていた。

ふとそのオレンジ色の光に気づいた王。

茶もとっくになくなっていることに気づいた。

はっとして、興味に輝かせていた顔を平静に戻す。

「桜、今日はこれで終わろう。すまぬな、長いこと質問攻めにしてしまった」

「あ…いいえ、私の方こそ、全然上手に説明できなくて」

これはほんとにそう思う。軽く頭を下げる彼女に、王は首を振った。

「いや本当に、そなたの世界は興味深い。…ありがとう」