すると王は、ふっと唇だけの笑いを浮かべた。
「……何年になるかな。何十年、いや、何百年になるだろうか。……もう、忘れてしまった」
「えっ?」
冗談だろうと思ったが、どこか物憂げな瞳はそんな雰囲気ではない。
「王は、死なぬのだ。怪我や病をしても、必ずすぐ治る」
「………」
絶句する桜に、さらに言う。
「なぜかは分からぬが…若い姿のまま、長い時を生きて、国を治める。神児は世襲制だがな」
「お后様とか、いらっしゃらないんですか?王子様とか、王女様は」
桜の問いに、微笑んだまま静かに首を振った。
「王は子をなすことはできない。后は置くことはできるが…まあ、制度としてあまり意味はないな。気に入った女がいれば宮にずっと置けばいいだけの事だ」
不老不死、ってこと………。
今までの話の中で一番驚いた。
おもむろに王は立ち上がり、庭に面した障子のような戸を開けた。
中庭には無数の花が咲いて、そよ風に揺れている。
庭師が枯れた葉を取ったり、雑草を抜いたりして、手入れに余念がない。
「……何年になるかな。何十年、いや、何百年になるだろうか。……もう、忘れてしまった」
「えっ?」
冗談だろうと思ったが、どこか物憂げな瞳はそんな雰囲気ではない。
「王は、死なぬのだ。怪我や病をしても、必ずすぐ治る」
「………」
絶句する桜に、さらに言う。
「なぜかは分からぬが…若い姿のまま、長い時を生きて、国を治める。神児は世襲制だがな」
「お后様とか、いらっしゃらないんですか?王子様とか、王女様は」
桜の問いに、微笑んだまま静かに首を振った。
「王は子をなすことはできない。后は置くことはできるが…まあ、制度としてあまり意味はないな。気に入った女がいれば宮にずっと置けばいいだけの事だ」
不老不死、ってこと………。
今までの話の中で一番驚いた。
おもむろに王は立ち上がり、庭に面した障子のような戸を開けた。
中庭には無数の花が咲いて、そよ風に揺れている。
庭師が枯れた葉を取ったり、雑草を抜いたりして、手入れに余念がない。
