デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

何となく、桜にもわかった気がした。

自分のいた世界は、不思議な力で世の中が動いたり、願いが叶ったりすることはない。

すべて、人間が自分の叡智で社会を切り開いてきたのだ。科学を使って。

桜がこちらの言葉を喋れるようになった時だって、神力で一発だ。
でも、桜の常識からいけば、普通違う言葉を喋れるようになるには、単語を覚えて、文法を覚えて、耳から聞き取り、発音して…と多大な努力がいる。なんとか効率のいい勉強法はないだろうかと、人間は必死に考えてきたのだ。

この世界には、それがあまりないのかもしれない。

夢や願望を、科学で叶えようという考えが。

だから、まるで何世紀も前のような建物や格好のままなのだ。

いいか悪いかは別として、この世界の仕組みの根本は、だいぶ違うんだな、と桜は思った。

(…そういえば)

ふと気になった。

「王様は、王様になってどのくらいになるんですか」

年の頃はシュリやアスナイと同じか少し上くらいだから、まあ3、4年というところだろうかと思いながら尋ねた。