デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

「あの…でも…」

桜は恐る恐る聞いた。

「例えば、どちらかが暴走してしまったら?」

「ん?」

「例えば、あの…王様が、好き放題しちゃったりとか、神児さんが、自分にも世の中の統治をさせないと、神告も教えないし神力も使わない、とか言い出したら?」

他の臣下が聞いたら、卒倒するような質問だ。

王はしばらく呆気に取られたような顔で桜を見ていたが、突然声をたてて笑いだした。

(えっ…え……?私、そんなに変な事聞いた?)

「はは…なるほどな。うん、確かにそなたがそう考えるのも当たり前か。ふふ……私が、好き放題か。ふふふ…」

「あの…すみません、仮定の話ですよ、今、王様がそんな事されてるってことじゃ」

わたわたと弁解する桜を、片手を上げてそっと制した。

「大丈夫だ、わかっている。そうだな、私が道に外れた統治をした場合は、神児が神にご判断を仰ぐだろう。その逆の場合は……」

ふっと、笑いを収めた。

「……さあ、そんな事は今までなかったから、分からぬな」

長いまつ毛を伏せて言った。