深宮は公宮ほどではなかったが、それでも大きい。
(こんな大きいのが、王様一人だけのものなのか…)
羨ましいような、落ち着かなさそうな。
入り口は意外とこぢんまりしていて、中に入ると意外なほどシンプルな造りだった。
それでも白木がふんだんに使われ、肌触りのいい敷物が延々と敷かれている。
天井には、一面星の絵が描かれていた。
中年の女官が、そっと二人の前に現れると、カナンはすぐに身をひいて、
「この先は近侍であっても私は入れません。あとはこの女官について行かれてください。私はこちらでお待ちします」
一礼して、入口の外へ出ていった。
「こちらへどうぞ」
女官がす、と手を上げて歩き出した。
(……静かな所だな)
時折別の女官とすれ違うが、お互いに静かに目礼するだけで、言葉は交わされない。
二人分の足音と、外の鳥の音がわずかに聞こえてくるくらいだ。
しばらく歩いた後、戸が開け放たれた部屋の前で女官の足が止まった。
入り口は白い帳が降りていて、風に少し揺れているものの、中までは見えない。
「失礼いたします。お客様をお連れいたしました」
そう中へ呼ばわると、帳を払い、桜を中へ促した。
(こんな大きいのが、王様一人だけのものなのか…)
羨ましいような、落ち着かなさそうな。
入り口は意外とこぢんまりしていて、中に入ると意外なほどシンプルな造りだった。
それでも白木がふんだんに使われ、肌触りのいい敷物が延々と敷かれている。
天井には、一面星の絵が描かれていた。
中年の女官が、そっと二人の前に現れると、カナンはすぐに身をひいて、
「この先は近侍であっても私は入れません。あとはこの女官について行かれてください。私はこちらでお待ちします」
一礼して、入口の外へ出ていった。
「こちらへどうぞ」
女官がす、と手を上げて歩き出した。
(……静かな所だな)
時折別の女官とすれ違うが、お互いに静かに目礼するだけで、言葉は交わされない。
二人分の足音と、外の鳥の音がわずかに聞こえてくるくらいだ。
しばらく歩いた後、戸が開け放たれた部屋の前で女官の足が止まった。
入り口は白い帳が降りていて、風に少し揺れているものの、中までは見えない。
「失礼いたします。お客様をお連れいたしました」
そう中へ呼ばわると、帳を払い、桜を中へ促した。
