やっぱり一言も口をきかないまま、カナンについて昨日通った渡り廊下を歩く。
昨夜は幻想的だった庭は、午前の日の光に照らされて、みずみずしく光っていた。
今日は、裏口も立派な出入り口が大きく開いている。
公宮内に入ると、様々な人間が忙しそうに立ち回っていた。
その中をカナンはスルスルと縫うように歩き、人けのない、細い通路に入っていく。
そして小さな戸の前で足を止め、そっと叩いた。
少しして、10センチほど開ける。
(あ!昨日の部屋…)
そこは、謁見の間の、段上の下手側だった。椅子に座って脚を組む王の横顔が見える。
「我が君。桜様をお連れしました」
小声でカナンが言うと、こちらを一瞬見てから、謁見している人がいるのだろう、前にまた目線を移して軽く右手を上げた。
「すぐ戻る」
そう言うと、こちらへと歩いてきた。
「朝から呼び立ててすまぬな、桜。よく眠れたか?」
「はい」
本当のことを言ったら、またこの近侍に後で嫌なことを言われる。
王は少し苦笑いしたが、何も言わなかった。
昨夜は幻想的だった庭は、午前の日の光に照らされて、みずみずしく光っていた。
今日は、裏口も立派な出入り口が大きく開いている。
公宮内に入ると、様々な人間が忙しそうに立ち回っていた。
その中をカナンはスルスルと縫うように歩き、人けのない、細い通路に入っていく。
そして小さな戸の前で足を止め、そっと叩いた。
少しして、10センチほど開ける。
(あ!昨日の部屋…)
そこは、謁見の間の、段上の下手側だった。椅子に座って脚を組む王の横顔が見える。
「我が君。桜様をお連れしました」
小声でカナンが言うと、こちらを一瞬見てから、謁見している人がいるのだろう、前にまた目線を移して軽く右手を上げた。
「すぐ戻る」
そう言うと、こちらへと歩いてきた。
「朝から呼び立ててすまぬな、桜。よく眠れたか?」
「はい」
本当のことを言ったら、またこの近侍に後で嫌なことを言われる。
王は少し苦笑いしたが、何も言わなかった。
