デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

(王様も忙しいのかな…) 

そんな風に思っていると、カナンが付け加えた。

「お食事が終わられたら、お呼びください。申し上げておきますが、否やは許されませんので」

「嫌だなんて言いません…。行きましょう」

もう…何なのこの人。
ため息をついて、立ち上がる。
あまり手のつけられていない食事を見て、

「よろしいのですか」

と聞くカナンに、精一杯の反抗をした。

「食欲がなくなったんです。今」

◆◆◆

王の仕事は、朝早くから始まる。その代わり昼過ぎには日常の政務は終わるので、緊急のことがない限りは、一日中働きづめと言うわけではない。

アスナイとシュリが辞去の挨拶のために謁見の間に向かうと、すでに王に会うための行列が出来ていた。

文官、武官、様々な顔ぶれが自分の順番をじっと待っている。

「毎日この人数をさばくんだから、スゲーよな。ほんとに頭に入ってんのかな」

シュリがこそっとアスナイに言うと、

「お前じゃないんだ、当たり前だろ。口を慎め。昨日の金髪小僧みたいな近侍に聞かれたら厄介だぞ」

低い声でたしなめた。