「勘違いなさらない事です」
無表情のまま、口だけが淡々と言葉を紡ぐ。
「客人とはいえ、今のあなたは衣食住、我が君がいらっしゃらなければ何もないただの醜女でしかありません。あなたに対する我が君のご興味など、明日にでも尽きておかしくありません。そうなれば異世界人など、すぐに王都から出されて獣のエサです」
呆気に取られる桜の目を見据え、カナンはさらに言った。
「何の後ろ盾も持たない以上、我が君にたてついたり、まして図々しくも要求などなさらないほうが、あなたの寿命を伸ばすことになるとご忠告申し上げます」
では、と一礼して、固まる彼女を残して静かに出ていった。
(……強烈…………)
嫌われてるどころの話ではない。
明日から、こんな場所で過ごすのか。こんな人間ばかりなのだろうか、王宮というところは。
目の前が暗くなっていくようで、桜は寝台にポスン、と腰かけた。
広い、贅沢な部屋。
肌触りの良い夜着。
十分な食事。
でも、シュリとアスナイに守られながら眠ったマットのほうが、ずっとよかった。
裸の上にまとっていたマントの方が、ずっと優しかった。
火を囲んで取った夕食のほうが、ずっと嬉しかった。
二人は仕事だったんだと分かっていても、その安心感が恋しくて、寂しくて、桜は少し泣いた。
無表情のまま、口だけが淡々と言葉を紡ぐ。
「客人とはいえ、今のあなたは衣食住、我が君がいらっしゃらなければ何もないただの醜女でしかありません。あなたに対する我が君のご興味など、明日にでも尽きておかしくありません。そうなれば異世界人など、すぐに王都から出されて獣のエサです」
呆気に取られる桜の目を見据え、カナンはさらに言った。
「何の後ろ盾も持たない以上、我が君にたてついたり、まして図々しくも要求などなさらないほうが、あなたの寿命を伸ばすことになるとご忠告申し上げます」
では、と一礼して、固まる彼女を残して静かに出ていった。
(……強烈…………)
嫌われてるどころの話ではない。
明日から、こんな場所で過ごすのか。こんな人間ばかりなのだろうか、王宮というところは。
目の前が暗くなっていくようで、桜は寝台にポスン、と腰かけた。
広い、贅沢な部屋。
肌触りの良い夜着。
十分な食事。
でも、シュリとアスナイに守られながら眠ったマットのほうが、ずっとよかった。
裸の上にまとっていたマントの方が、ずっと優しかった。
火を囲んで取った夕食のほうが、ずっと嬉しかった。
二人は仕事だったんだと分かっていても、その安心感が恋しくて、寂しくて、桜は少し泣いた。
