デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

「随分と、考えが変わったようではないか。この旅の後で。なあ?」

からかうような声の後、ひと呼吸置いてはっきりと言った。

「ならぬ。汝らに、王宮勤務はまだ尚早だ」

「………」
「………」

伏せた顔の下で、唇を噛む。

やはり、そう甘くはない…。

「王宮に限らずだが、その場所の警護を希望するのであれば、その土地の民と財産を守るという使命感、そして己を高めようとする意志がいる。汝らの此度の請願は、それがあるのか」

静かな、しかし容赦のない厳しい言葉がかかった。

だが、その通りだ。

二人は、ただ恥じ入ることしかできない。

王は、少し声を和らげた。

「汝らは、まだ若い。だが若手の王都武官の中では突出した逸材の中の二人だ。汝ら自身をより高めてから王都に戻ってもらわねば困るのだ」

「……はい。浅薄を申しました。お許しください」

シュリもアスナイも、深く頭を下げた。

桜を見るあまり、自分の立場を見失っていた。
まだまだだ――――。

「……まあ、汝らがこんな事を言い出した理由は、大方予想がつくがな」