デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

「編み込みのハーフアップにしようかしらね。髪紐、持ってたでしょ。よこしなさい」

「あ…でもこれ、借り物で」

「借り物?」

背後からひょいと、差し出した桜の手に乗っている薄紫色の髪紐を見た。

「…何よコレ。男物じゃない」

「あ、はい、アスナイさんからお借りしてたので」

「アスナイちゃんが!?自分の髪紐を、アナタに貸してたの!?」

「え…はい、私が髪紐使えなくって、毎朝アスナイさんに髪を結っていただいてたので」

シディが、驚愕の表情を浮かべる。クルンと巻いたまつげが、まぶたに刺さる勢いだ。

「…そういえばアナタ、さっき聞き捨てならないこと言ってたわね。アスナイちゃんのマントの前に、シュリちゃんのマントも着てたって」

「?はい。自分の服が、着れなくなってしまったので」

ケロリと答える桜の背後で、驚きのあまりカタン、とブラシを落とすシディが鏡に映る。

「…シディさん?」

「……アナタ………どういう手を使ったのよ……」

「は?」

「教えなさいよぉ〜!」

ガクガクと肩を揺さぶられ、混乱をきたす桜。