デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

もうヤケクソで、ワンピースに頭をつっこむ。
もそもそと袖を通し、フワリと膝までのスカートをおろした。

袖もシフォンになっていて、二の腕をカバーするデザインだ。

緩すぎもせず、きつくもない。

(もったいないくらい、かわいいワンピ……)

おもむろに、つかつかとシディが近寄ってくるのが鏡越しに見えた。

「一つ、教えておくわ。どーせ、アナタまともに身だしなみに気を使ったことないでしょうから」

的確だが、一々耳が痛い。

スッとひざまずくと、服の縫い目の位置を体に合わせ始めた。

「服はね、ただかぶって着りゃいいってもんじゃないのよ。正確な位置に、正確な場所が来るように整えるの。じゃなきゃ服も、それを着る人間も、魅力はガタ落ちよ」

これでよし、と桜のそばから離れる。

確かに、ただ着ただけよりもきちんと、そしてスッキリして見える。

「はい、ありがとうございます」

嬉しくなってシディを振り向き、笑ってペコンと頭を下げた。

「……ふんっ」

ツンと顔を背け、またフリフリと服の山へ消える。

今度はなんだろう、と思いながら乱れてしまった髪に気づいて、髪紐を解いた。

(これも、返さなきゃな…アスナイさんに)